D2Cとは?その意味を知らないと痛い目に

D2C、あるいはDtoCという言葉が謳われて久しいです。ビジネス界では一種の流行語・バズワードの様相もあり、肯定的に捉える風潮が多い中だからこそ、一歩引いて検討してみるべきです。

その意味を知らないせいで痛い目を見ないようにしたいものです。D2Cとは、一体何なのでしょう。

D2Cとは?その意味を知らないと痛い目に

意味

D2Cとは「中間業者を飛ばして消費者へ直接販売すること」を意味します。ECに限ったことではなく、またある種のBtoCでもあります。

D2Cは、Direct To Consumerの略です。Direct To Consumerはもともとは、医薬品を医者向けにでなく消費者向けに広告したり販売したりすることを意味しました(出典:ケンブリッジビジネス英語辞典)。

話題

キーワードの話題性を手軽に調査できるGoogleトレンド。検索欄へ「direct to consumer」と入力すると、一般的なトピック「直接販売」が推薦されます。これを調査対象にします。

トピック「直接販売」は全世界で、過去5年間ではその検索ボリュームが右肩上がりです。直接販売にまつわるキーワードの検索回数が、経年で増え続けていることを意味します。

Googleトレンド「直接販売」

特徴

D2Cを実施することのメリットには以下のようなものがあります(出典:Shopify)。

  • 顧客データを収集する機会が得られる
  • ブランドロイヤルティの強化
  • 商品のパーソナライズ
  • 新商品や高額なプレミアム商品の紹介に役立つ

消費者へ直接働きかけて販売を実施するわけですから、顧客データはダイレクトにフィードバックされ、自社のメッセージングも薄まったり曲げられたりせず伝わり、1人1人のニーズへ逐一向き合うことができ、中間業者の事情に左右されないプロモーションが可能となるのです。

痛い目を見ないためには、デメリットも確認しておくべきです。それは、コストとして以下のようなものが必要となることです。

  • サイト構築
  • 認知獲得
  • BtoC対応

最近の文脈でいうD2Cは、自社でECサイトを所有することを意味しますので、その構築コストがかかります。また、大手ECモールへ出品することと違い、認知獲得コストも計上するべきです。そして卸売と違うのは、消費者一人ひとりへの個別対応が求められることからその調整コストも見逃せません。

方針

メリットだけに注目してD2Cを始め、のちに評価したら、初期投資やコストに見合う売上が立たなかった…ということが無いようにしたいものです。ここでD2Cの意味「中間業者を飛ばして消費者へ直接販売すること」に立ち返ると、自ずとその実施方針が見えてきます。つまり、

  • 中間業者が担っていたメリットの減少を最小化
  • 中間業者が負っていたデメリットの減少を最大化
  • 直接販売が担うメリットの増加を最大化
  • 直接販売が負うデメリットの増加を最小化

ことが求められます。この方針を多く達成できなければ、D2Cへのピボットは成功せず、痛い目を見ることになってしまいます。

D2Cとは何か、その意味を理解するにあたって、これらの方針に基づいた場合に、誰に・誰が・何を・どうやって実施していくべきかを考えていきます。

誰に

どこから買っても同じような品質の製品を求めているわけではない顧客を相手にすべきです。「この製品が欲しい」「このメーカーだから欲しい」というパッションを持った顧客が望ましいです。D2CがSNSと相性が良い、あるいはSNSがあるからD2Cが台頭した、と言えるのもここに関連があります。

中間業者が担っていた選別機能はそもそも顧客が最初からしてくれているので、その減少を最小化してくれます。中間業者が負っていた中間マージンコストの減少は、このような顧客の発見・醸成へ回すことでその効果を最大化します。ターゲティングは益々重要になります。製品のパーソナライズができるD2Cを実施することでブランドロイヤルティを高めるなどの、直接販売が担うメリットを最大化できるような顧客へリソースを集中します。中間業者を飛ばすことで生じるプロモーションコストの増大は、ターゲティングの絞り込みによって抑え込むことを考えます。

「何でもいい」「どこでもいい」という顧客をターゲットにしたD2Cは成立しにくく、「これしかない」「ここしかない」という顧客には「いくらでもいい」が成立しやすいと言えます。

誰が

Web検索して目にするD2Cの成功事例は、比較的大きな事業主のことが多いように感じませんか。中小企業が中間業者を飛ばして直接販売することは、後戻りのできない事態になりえます。

難しいことですが、比較対象の少ないエッジの効いたサービス・製品を提供する事業者が適合します。そこには、中間業者へ支払っていたコストをサービスへ再投資できる体制づくりが望まれます。顧客と直接向き合うことをコスト・リスクではなくメリット・ベネフィットとして捉え、顧客データを収集・活用する体制づくりも必要とされます。そこで得られた知見をやはりサービスへ再投資してゆくゆくは顧客へと還元する、良いサイクルを構築する手立てが不可欠です。

徹底した顧客第一主義が、D2Cにおいてはさらに重要視される企業資質です。

何を

一点物です。価格競争フェーズに入った大量生産品は、D2Cには不向きです。なぜならそのような場合、大手ECモールとの違いは中間マージンのない低い価格設定でしかなく、たいていの場合その差は、大手ECモールが持つ利便性の価値を超えるほどではないためです。

D2Cを始めることで卸売業者が担っていた選別の役割が失われるなかにあって顧客を失望させないためには、他に比較しようのないほどの品質・独自性をもった製品を提供したり、その役割をD2C事業者が肩代わりしたりする必要があります。D2Cによって得られた顧客データをもって、上述のとおり、改善サイクルの中で、提供するサービスを他社が到達できない高みまで運び続けることが肝要です。

競合がない製品は存在しませんが、競合が少ない・比較しづらい製品は存在します。

どうやって

認知獲得コストについて真剣に考える必要があります。中間業者は一括で、多数の顧客を束ねてくれていました。これからは自社の力で、その多数の顧客を獲得し、関係性を構築していかなければなりません。これはコストではありますが、顧客データ収集とサービス改善のための投資でもあります。逆に言うと、顧客データ収集とサービス改善をしなければ、認知獲得コストはリターンなく増大するばかりです。

大手ECモールと同じ売り方ではD2Cとしての魅力は半減してしまいます。パーソナライズされた製品をパーソナライズされた売り方で、顧客1人ひとりへダイレクトに届ける方法である必要があります。

まとめ

D2Cでは、従来のマーケティング体系をより強固に実践すべきです。

顧客第一主義でなければ、D2Cの評価は、顧客折衝を外注するか内製するかという費用対効果の議論に留まってしまうでしょう。顧客第一主義に基づけば、自分たちの既存・潜在顧客はD2Cを求めているだろうか、という質問へ転換することができます。

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